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「Hvalaフヴァーラ」 アルバムこぼれ話 Vol.1〜10
「Hvalaフヴァーラ」 アルバムこぼれ話 Vol.11〜20
「Hvalaフヴァーラ」 アルバムこぼれ話 Vol.21〜24


「Hvalaフヴァーラ」 アルバムこぼれ話 Vol.24
クロアチアってどんな国? 
〜ヤドランカを通して知るクロアチア〜
(2022.12.4更新)


サッカーワールドカップで日本は強豪スペインを破り健闘しています!
次の試合は対クロアチア。ベスト8をかけて熱い戦いが期待されています。

ところでクロアチアってどんな国なのでしょう。
ヤドランカを通してクロアチアを見てみたいと思います。

画家としても活動していたヤドランカが好んで題材にする街はクロアチアのドブロヴニク。
アドリア海の真珠と呼ばれ、城壁で囲まれた旧市街は世界遺産に指定されています。
宮崎駿監督の「紅の豚」「魔女の宅急便」の舞台はドブロヴニクがモデルとなっています。

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世界遺産ドブロヴニク (ヤドランカ作)

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アドリア海の浜辺で波とたわむれる女の子(長原啓子撮影)
また、ヤドランカのアルバム「フヴァーラ」収録の作品「LJUBICA リュビッツァすみれ」は、幼少期をドブロヴニクで過ごしたヤドランカと母のエピソードをモチーフにしています。
温暖でバカンスに訪れる人も多い町。
以前、ヤドランカと世界遺産コンサートのツアーで訪れたドブロヴニクは青い海と青い空の印象が強く、「LJUBICA リュビッツァすみれ」の作詞をする際にスミレの青い花びらとイメージを重ねて書きました。

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そもそもヤドランカという名前は「アドリア海の子」という意味。
イタリア系クロアチア人の祖母が名付けました。

クロアチアのお向かいにはアドリア海を介しイタリアがあります。
アコーディオニストのcobaさんは、若い頃イタリアに留学していました。
その後長い歳月を経たある日のライブで、彼は共演するヤドランカに言っていました。
「あの頃、アドリア海に向かって“おーい”って呼んだらヤドランカに声が届いていたかも しれないいね」と。

codaさんはアコーディオンの演奏のみならず、映画音楽の作曲など世界を舞台に活躍されています。
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サムライ アコーディオン
2022.10.26 Release【BOSC-0006】
cobaさんホームページ https://www.coba-net.co

彼が音楽監督を務めた映画「魂萌え!」(阪本順治監督)はヤドランカがテーマソングを歌っています。
(アルバム「フヴァーラ」に収録)


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映画「魂萌え!」ポスター

cobaさんも出演される年明け1月6日開催の「ヤドランカ生誕祭New Yearトリビュートライブ」では「TAMAMOE」も演奏予定です。
今回この素晴らしいメンバーでどんな演奏が繰り広げられるか乞うご期待!

またアルバム「シュトテネーマ〜あの歌が聴こえる」のボーナストラック「IO TI AMOイオティアーモ」はイタリア系クロアチア人の祖母から「愛しているよ」と言われ続けて育ったヤドランカの声が、アドリア海の波間にきらめく陽光のよう。
彼女が遺したデモテープを収録したものですが、いつまでも聴いていたくなります。
愛に包まれた作品です。

ヤドランカはサラエボ出身で国籍はボスニア・ヘルツェゴビナですが、旧ユーゴの解体前からクロアチアに縁が深く、自分がナニ人か?という質問はナンセンスだと言っていました。
強いて言うならコスモポリタンであり、地球人だと。

先日亡くなったサッカーのイヴィチャ・オシム元監督もそうですが、ヤドランカの発する言葉は哲学的です。
そしてクロアチアをはじめ、旧ユーゴの知識人は言葉というものに、とても重きを置いているように感じます。

だからでしょうか。日本の俳句も究極の三行詩として人気があり、クロアチアには「クロアチア俳句協会」も設立されているそうです。
ヤドランカの作品「HAIKU俳句」も彼女が30歳になるかならないかの時の作品ですが、長く祖国の人々に愛されている楽曲です。

クロアチアには詩人が多く、いたるところで詩の朗読会が開かれています。
駐日クロアチア共和国大使だったドラゴ・シュタムブク氏もクロアチアを代表する現代詩人。

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アルバム「音色」にはドラゴ氏の詩「1918年」にヤドランカが曲を付け歌った 「Daleko plove brodovi“1918”(遠浮舟)」が収録されており、ドラゴ氏の想いが寄せ られています。

それによるとクロアチアのアドリア海に浮かぶ島々に住む人たちは政治的・経済的背景故 に故郷に思いを寄せながら故郷を捨てなければならなかった過去があったと。

2007年当時で、チリからニュージーランド、カナダからオーストリアに至るまで外国で生きるクロアチア人は何百万人にも達しているそうです。

クロアチアにはドブロヴニク旧市街の他にも多くの世界遺産があり、観光資源に恵まれた美しい国ですが、同時に波乱に満ちた歴史を背負った国でもあるのです。

間もなく始まるクロアチア戦。
日本もクロアチアも共に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを期待しています。

2022年12月4日
友利歩未



 
追悼盤
「Hvala フヴァーラ 〜ありがとう ヤドランカ・ベスト」


ニューアルバム
「シュトテネーマ〜あの歌が聴こえる〜」

日本コロムビア ご試聴・ご購入サイト
https://columbia.jp/artist-info/jadranka/discography/album.html


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