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「Hvalaフヴァーラ」 アルバムこぼれ話 Vol.3
清めの泉 シャドルヴァン


この絵はアルバム「Hvalaフヴァーラ」にも収録されている「Što te nemaシュトテネーマ」を
テーマに描かれたもの。
ヤドランカはボサンチッツア(中世クロアチア語で使用されたキリル文字)をアレンジした
彼女独特のレタリングでその歌詞を書いています。
文字自体それだけで絵画のようです。

  

描かれているのはサラエボ旧市街で最も有名なモスク
“ガーズィー・フスレヴ・ベゴヴァ・ジャミア“の中庭にあるシャドルヴァンです。

「Šadrvan シャドルヴァン」とは 泉・噴水もしくは水飲み場という意味です。
実際の用途は手を清めるためのもので、モスクや宿屋などの前にあることが多いようです。
清めの泉とでも言いましょうか。
日本の神社やお寺にある「手水舎」(ちょうずしゃ)にあたります。

    

サラエボの旧市街バッシュチャルシア広場にある「Sebilj セビリ」と呼ばれるシャドルヴァンも
また有名です。
セビリというのは実はアラビア語起源、シャドルヴァンはペルシャ語起源で、
供に「泉・水飲み場」という意味なのだとか。

   

ところでこのシャドルヴァンは、「Što te nemaシュトテネーマ」の歌詞では
シャドルヴァーナとなっています。
どういうことかというと
歌詞の「BISTRA VODA ŠADRVANA」は、「シャドルヴァン きれいな水」という意味。
男性名詞である「ŠADRVAN」の属格(生格、所有格ともいう)はおしまいに「-a」がつくので
「シャドルヴァン」が「シャドルバン」に格変化すると
「ŠADRVAN 」→「ŠADRVANA」になるのです。
ちなみにセルビア・クロアチア語は格変化が7格まであるそうです。

ヤドランカの追悼アルバム「Hvala フヴァーラ 〜ありがとう ヤドランカ・ベスト」の
ブックレットには冒頭の絵の他に、画家でもあった彼女の遺した絵画作品も多数掲載されています。
音楽と共にヤドランカの絵も楽しんでいただけますように…

ヤドランカにとって、絵を描くことは音楽と同じくらい夢中になれるものでした。
絵を描くことで、波乱に満ちたその人生が救われていたように思えます。

 


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